2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

思い出しながら日記を書く。確かこの日は金曜日で,僕は誘われたバーベキューに行った日だ。バーベキューは夜で,昼はフランス料理だった。 その前の日,銀座の焼き鳥屋に誘われたから妻を連れ立って行ってきた。雑居ビルの何階だかにあるうらびれた感じの焼…

真夏のスーツはまとわりつく。官公庁への訪問だった。まわりが軒並みクールビズであくせくしている中で,僕はネクタイを絞めて背広を着ていた。悪目立ちしているかもしれないと思ったけれど,クールビズと背広の違いなど霞ヶ関においては日暮里と西日暮里ほ…

日記がうまく書けない。今日は比較的たくさんのことが起こった日だったと思う。出来事がうまく文章にならない。そこで今回は特になんの趣向もないまま,起こったことを起こったままに書き連ねてみようと思う。本来の日記のあり方もきっとそんなものなのだろ…

涙を流すこと自体はよくある。あくびをしたり,花粉症だったり,痛みだったり,涙というのは泣くという生理現象の帰結であって,生理学的にはそれ以上の意味はない。しかし人間はそこに,涙というものに実に多くの意味を見出したり,載せたりする。涙とは生…

遅く起きた。口が渇いている。前日のアルコールが少し残っているからだろう。定期的に会う友人が昨日も遊びに来た。そこで話が興に乗ってそれなりに酒を飲んだ。飲み過ぎたというほどではないが,節制したかというと決してそんなこともない。なんにせよ身体…

祈ってばかりの日々。ただ祈る日々。祈ることしかできぬ日々。僕は何に祈っているのだろう。妻にだろうか。超越存在にだろうか。それとももっと抽象的な,確率や,確立過程や,乱数にだろうか。あるいはもっともっと抽象的な,不確かさ,みたいなものに祈っ…

福島にいくのは初めてだった。福島といっても実際に用事があったのはどちらかというと郡山の方で,新幹線の駅から車でさらに40分ほど山あいを縫っていった先にある,一風変わった工場への訪問だった。朝から新幹線に乗り遅れたり,新幹線を乗り過ごしたり,…

これは日記ではない。日記であるはずだったのに,日記ではなくなってしまった。日記とはその日あったことを書き記すものだ。少なくとも僕はそう信じている。では,昨日あったことを書き記した文章はなんと呼ぶのだろう。一昨日あったことを書き記したものは…

打ち合わせの連絡で慌ただしく目覚める。眠い目に朝の光が白々と眩しい。やけに寒い。冷房を切らずに寝てしまったらしい。遠くに子供の声が聞こえる。ここからは,何を言っているかは分からない。でも,何か言っている。大事なのは夏の朝に少年が誰かに何か…

久しぶりにル・クレジオについての話をした。久しぶりに山尾悠子の話をした。久しぶりに言葉の話をしたし,久しぶりに神話や宗教の話をした。妻とはいつもの話題だけど,妻以外の人間とこういう話をする機会はめっきり減って,じつに数年ぶりのことだった。…

紛うことなき夏の1日。たぶん東京で暮らす人はみんな今日,今年の夏の幕開けを感じたのではないだろうか。もう冷房なしでは寝苦しい。寝汗で起きる。日焼け止めを塗る。日傘もさす。ちょっと歩くと汗が止まらない。そういう時期だ。 妻がもんじゃ焼きを食べ…

じっとりと湿った1日だった。水を含んだ空気が重たくて,座っているだけで肩が凝る感じがした。 ドストエフスキーの『罪と罰』を,もう何年振りか,再読した。朗読を聴くことを読書に数えるかは異論があろうが,とにかく文字情報を順番に解釈していくという…

書き出しに書くことが思い浮かばない,ということは,今日の僕は一生懸命仕事をしたということだ。えらい。納品前なのだから当たり前といえば当たり前だけど,その事実は僕のえらさを微塵も毀損するものではない。えらいぞ僕。 朝起きてまずなにをしたっけ。…

晴れた。今日は1日晴れていた。久々の青空は高く潤み,風は湿った緑の匂いをふくんで,ため息のように濃厚だった。草いきれに薫るこの風はすでに初夏のものではない。今日から夏だ。夏が始まる。 今朝は珍しく,妻がコーヒーを飲むと云うので,それに付き添…

目が醒めると小雨だった。このところ抜けの良い青空を見ていない。この時期は日を追うごとに梅雨色が濃くなってゆく。カーテンの隙間からみる雲の分厚さに,憂鬱とまでは言わないが,陽射しが恋しくなる。音もなく降る雨を見ながら,今日は一歩も外に出ない…

寝過ぎた。5時だった。午後5時だ。過眠による倦怠感を拭うのに1時間かかった。ひとしきり倦怠感が拭われると,今度は焦燥感が襲ってきた。日曜日が終わってゆく。曇天を差し引いてもすでに外は昼の明るさではない。冬ならとっくに夜だろう。夏だがそろそろ夜…

自宅の水道水が,そのままだとどうにも飲むにはぬるい。夏に飲む水には潤いよりもまず冷ややかなことを求めたい。そこでこまめに氷を作り置く。夜中などに喉の渇きに目を覚ます。うつらうつら,アルミ製のタンブラーに水を注ぐ。そこに氷をひとつかみ落とす…